幸せの栞 (第2回)
Q1 : 農業を始めたきっかけは?
もともと田んぼを少し作っている兼業農家で、自分自身も会社員をしつつ、田植えの時に休んだり、土日の作業でやれる農業をするつもりでした。
当時、私は長年花粉症に悩まされていて、その原因について考えていました。
結局、花粉が悪いのではなく、自分自身に問題があると思い、身体を作っている「食べ物」について調べました。
すると、農薬や化学肥料を使った栽培方法、季節を無視した作り方、遺伝子組み換え作物、家畜の餌や飼育環境など様々な問題点が出てきました。
そして、自然に則した農業をしている方との出会いがあり、その様な農業を自分でしてみようと思いました。
Q2 : どの様な農業観ですか?
農業は基本的に1年1作なので、工業の様に効率を上げる事も出来ません。
規模を大きくし過ぎると設備投資や雇用等も過大になるので、家族経営で出来る範囲内とし、無理をしない様にしています。
また、地域には様々な「役」がありますが、それも、出来る限りするようにしています。役をすることによって、地域の色々な部分も見えてきます。
Q3 : 具体的に、今どの様な農業をしていますか?
農薬、化学肥料を使わずに、田んぼ約11haで稲、大豆を作っています。
収穫後の10月~11月にはレンゲ草の種を蒔いて来年に備えます。
労働力としては、両親と私の3人を中心に、繁忙期には会社員の妻も加勢します。
私の地域では稲と大豆のブロックローテーションがあり、今年は稲を6ha、大豆を5ha作付けしました。
他には自家配合の餌で鶏を飼っており、有精卵も販売しています。
野菜は畑そのものも少なく、また、人手の関係で自家用分しか作っていません。
Q4 : 今後の展望を聞かせて下さい。
現在の経営規模は、当初予定していた10haを越しています。
稲作、大豆作中心で様々な作業の機械化は進めていますが、まだ子どもも小さく、
今後しばらく労働力の低下は避けらないので、昨年から新規の田んぼは借りない様にしています。
妻は会社員として働いていますが、これはこれで良いと思っています。
家族内で色んな職業に就いているのも面白いと思います。
子どもたちは将来どんな仕事に就くか分かりませんが、子どもたちが後を継いで行きたい、と思うような農業をやっていきたいと思います。